残間 では今年も早速始めたいと思います。今日はこちらの6種類のドリンクご用意させていただきました。
残間 それではまず乾杯しましょうか。乾杯ドリンクは『
鈴木 牛乳で乾杯とは珍しいですね。
残間 これはただの牛乳じゃないんです。平成29年度プレミア和歌山審査委員特別賞を受賞しています。これを作っている黒沢牧場は、乳牛を通年放牧しているという、今の日本ではたいへん珍しい酪農家です。しかも低温殺菌。濃厚かつ、爽やかな味に仕上がっています。知事、乾杯のご発声をお願いします。
仁坂知事 皆さんのおかげで「プレミア和歌山」の制度も、だいぶ定着してまいりました。それではプレミア和歌山パートナーの皆さんに乾杯!
一同 乾杯!
クミコ サラリとして美味しいですね。
山本 私、今から3年前に、ある乳業メーカーを題材にした現代物を一本書きました。その時に全国の酪農家を取材して回ったんですが、牛の現状を見て、牛乳を飲めなくなった時期があったんです。可哀想で。生まれてからほとんど歩くこともなく牛舎に入れられ、そのまま乳を絞られる。
でもこれ、日本ではしょうがないんですよね。そんな牛を繋ぎっぱなしの酪農家でも、1日に二度搾乳をする。1回目を朝6時と決めたら、次は12時間後の夕方6時にするしかない。もちろん、その間にも多くの作業がある。そういう暮らしを一年中されている。それをこの黒沢牧場では通年放牧しているんですから、たいしたものです。
実は去年、黒沢牧場の方にお会いしたんです。若い方でしたが、とてもいい顔をしてましたね。1日24時間の作業になると簡単に言ってましたが、あれ、本当に大変ですよ。
荻野 牛乳は最近、欧米でもどんどん不味くなっていて、これだけ脂肪の臭みがなくて爽やかなのは、久しぶりな感じがします。
残間 他のドリンクに関しては食事と合わせながら、随時ご紹介したいと思います。
残間 これからいろいろとプレミア和歌山の食品や、食材を使った料理が出てきますが、まずはお手元のおしぼりにご注目ください。
幸田 いい香りがしますね。
残間 おしぼりにはクロモジから作った『
山本 さっきから何かいい香りがすると思ったら、おしぼりから香っていたんですね。
残間 それから本日のメニューをお配りしていますが、こちらの紙もプレミア和歌山です。『
弘兼 確かに風合いがありますね。
残間 BGMを鳴らしているのは、後ろにあります『
さて、受賞商品ということで今年は牛乳で乾杯をしましたが、やはりお酒でも乾杯しておきましょうか。
クミコ 今度は大人の乾杯だ!
残間 梅酒『
一同 乾杯!
幸田 こんなにきれいな赤が出た梅酒というのは初めてです。今シャンパンでもセニエという、血のシャンパンというのが流行ってきてますが、この色を出すのに苦労されたんじゃないでしょうか。味も素敵。
泉 今日の荻野さんの髪の毛の色に近いですよね。合わせてきたかのかと思いました(笑)。
鈴木 最近はこういうのもあるんですね。僕は夏はビール党ですが、冬は梅酒の炭酸割り。これに限ります。
仁坂知事 梅酒は大手のものだと、梅を使わずに精製したクエン酸や香料で作っているものもあります。プレミア和歌山のような、きちんと梅で作っているのと一緒にされては堪りませんので、何とか各方面にお願いしまして、「本格梅酒」という表示を確立させました。梅とショ糖、お酒のみで作ったものだけがラベル表示できますので、お選びの際はご留意ください。
残間 最初の料理が出てまいりました。こちらは「和歌山アラカルト」と題しまして、様々なプレミア和歌山商品を、少しずつお楽しみいただきます。
金山寺味噌と一緒にキュウリが出ていますけれど、このキュウリもプレミア和歌山です。『
仁坂知事 美浜町の煙樹ヶ浜という所に、広い松林がありまして、松の葉がたくさん落ちるんですね。これを利用できないかということで、堆肥にしていろんな作物を作っています。あとで出てくると思いますが、『
残間 『
山本 いや、本当に好きなんですよ。
残間 以前、有楽町で山本さんご夫妻とばったり会いましたが、ちょうど和歌山県のアンテナショップ(わかやま紀州館)で金山寺味噌をお買いになってましたね。3個お買いになってましたが、一ついただいてしまいました。
山本 無理やり持たせちゃいましたね(笑)。自分でも好きだし、つい人に勧めたくなります。それから味もそうですが、金山寺味噌はその起源が興味深いですよね。元をたどると鎌倉時代に、中国から和歌山に伝わったと聞いて驚きました。
残間 『
荻野 あ、これは最初はわからないんですが、噛んでいくと梅が現れてきますね。
弘兼 というより、これは日本酒にぴったりですよ!
残間 ではお出ししましょうか。今日は日本酒は『
クミコ 精米具合が激しいというのもあるんでしょうけれど、こんなにスッキリ辛口というのは、久しぶりですね。
残間 今、日本酒は海外でも人気ですからね。
それから肉系もあります。『
鈴木 逆はダメなんですか? 豚の雄と猪の雌、ブタイノでは?
仁坂知事 イノブタじゃないと安定して生産できないみたいなんですよ。
残間 まあ、シルエット的にはイノブタの方がしっくり来ますよね。逞しい猪と、可愛らしい豚ちゃんという感じで(笑)。
泉 イノブタという名前には、そういう意味があったんですね。面白いなあ。
仁坂知事 イノブタはすさみ町に畜産試験場がありまして、そこで生まれたものです。5月になりますとイノブタの子を走らせるレースもやっていて、かわいいものですよ。
ところで試験場で交配して作っても、昔は県内に飼育農家というのがなかったんです。それで最初は生まれた猪豚の子を淡路島に送って育ててもらっていましたが、やっと手を上げてくれた生産者がいまして、今ではすさみ町で飼育をし、サラミやソーセージも作っています。
弘兼 猪と豚を掛け合わせるメリットってなんなんでしょう。
仁坂知事 豚は食べやすいんですが、淡白とも言えます。一方で猪は味は濃厚なんですが、クセがあると敬遠する人もいます。イノブタの良さは、この両方の良さを味わえるところですね。
ちなみに私は猪が大好きです。脂が美味しいんです。ですからイノブタも、脂にすごく旨みがあります。脂だけ取り出して食べたいぐらい。
残間 猪で作ったジビエ・ソーセージもありますが、こちらはいかがでしょう?
クミコ これ美味しいですよ。脂が官能的ですね。ヌメッと来ましたね。
弘兼 官能的………いい表現をされましたね!
幸田 クセはあるんですが、すごく美味しいです。そしてこれに合うのが、この『
残間 今日のビールは白浜町の『
鈴木 僕はこのビールは毎晩飲みたいな。
荻野 イノブタのサラミともぴったりですね。
仁坂知事 今、和歌山県ではジビエ(野生肉)の猪肉や鹿肉の普及に力を入れています。特に12月から2月まではジビエシーズンということで、県内の飲食店でどんどんメニューに出してもらっています。
それで和歌山の人たちは奥ゆかしいというか、これまで旅人に猪や鹿を出したら、失礼だと思っていたんですね。裏山で獲ったような物はお出しできないと。でも、違うんですね。都会から和歌山に来て下さる方は、どこででも売っているものより、そういう地方ならではのものの方が魅力的なんです。せっかくの和歌山の資源ですから、積極的にアピールしたいと思っています。
鈴木 僕、すさみ町で鹿肉、たっぷりいただきましたよ。滅茶苦茶美味しかったです。最高のご馳走です。
幸田 フランス料理だと、ジビエの方が高級だったりしますよね。
残間 さあ、今日のメイン料理が出てきました。『
弘兼 この『
仁坂知事 (笑)いえいえ、これは紀州梅の梅酢エキスを食べさせて飼育した豚です。要は梅を与えると豚が元気になるんですね。その結果、身が引き締まった豚になります。それで美味しくなるんです。この飼育法は県内では鶏にも使われていますね。
残間 『
弘兼 霜降り肉のせいか、『
クミコ・泉 本当だ。柔らかくて美味しい。
残間 一緒に出てきたレタスもプレミア和歌山商品です。『
残間 締めのご飯物が出てきました。緑の葉っぱに包まれたのが『
わさびの葉で包んでいるだけでなく、酢飯もわさび酢が使われていて、中には本わさび、しめ鯖、ぶどう山椒添えのスモークサーモンなど、様々な具が入っています。
幸田 ピリッとして美味しいですね。後からツーンとわさびが来るのがいい。これは海外の人にも受けると思います。今は海外でも、わさびが大好きな人が多いので。
残間 『
ちなみにお寿司を載せているお皿もプレミア和歌山の『
弘兼 この皿の中では『
泉 太刀魚で作ったかぶら寿司というのは珍しい。鯖とはまた違った味わいです。
残間 ちなみに「おっぱ」というのは、和歌山では「おんぶ」のことだそうです。ご飯が具をおんぶしているようなので、生産者の橘屋さんがおっぱ寿司とネーミングしました。太刀魚の他に真鯖、鮎甘露などのバージョンもあります。
山本 こんなに美味しい寿司があるんですから、お茶をいただけますか。私、お酒はあまり飲めないもので。
残間 はい、山本さん、クミコさんからリクエストがありましたので、『
残間 さて、最後のデザートです。アイスがありますが、これは『
一心農園は柿の生産農家として有名なんですが、ここのあんぽ柿をアイスに混ぜ込み、完熟富有柿で作った特製富有柿ジュレを乗せた2層仕立てになっています。
クミコ うーん、甘~い!
弘兼 それも柿の優しい甘さですよね。これは気に入った。
残間 それからナッツですが、『
荻野 このナッツは、どんなお酒でも合いますよ。
弘兼 確かに日本酒にも合います。
荻野 これはお取り寄せしたいレベルですよ。メープルシロップと山椒というのが何故か合うんですね。
残間 フルーツはまず『
幸田 最近は見かけが綺麗で立派だけれど、食べたら苺の香りがしないし、甘みも足りないというのが結構あるじゃないですか。値段は高いのに。これはしっかり甘いですね。久しぶりに苺らしい苺です。
荻野 こういう苺はなかなか出会えないんですよ。日本のことわざにもありますよね、「苺(一期)一会」。
一同 (笑)
クミコ そろそろ荻野さんのダジャレが出る頃だと思ってました。
幸田 お待ちしておりましたという感じ!
残間 そして『
幸田 熟成させてるんですね。確かにバランスがいいです。採れたてが一番とは限らないんですね。
残間 さて、駆け足でいろいろと召し上がっていただきましたが、いかがでしたでしょうか。荻野さん、何か一言お願いします。
荻野 今日はまずここに来て、クロモジのアロマオイルにやられました。やっぱり食べるという行為は、舌だけじゃないんですね。竹スピーカーもありましたし、目と鼻と口と耳などなど、今日は五感をいっぱい使って食べたなと思いました。
それから普段、コンビニとか大型スーパーでいろいろ食品を買っていますが、そういうのって美味しいと思っても、ゴテゴテと装飾過多の建築物の中に入ったら何にもない、みたいなのが多いと思うんです。
ところが今日いただいたものは、一見とても簡素な日本住宅なんですが、中に入るとものすごく奥が深い。奥座敷がちゃんとある感じ。逆に自分の食生活が、奥座敷のない味ばっかりだったなと反省しました。
山本 和歌山は毎度、驚く品物に出会えるんですよ。こういうパートナーというのは、世辞では続かないんです。一年はやれても、二年目に「またあれか」となりがちで。本当に和歌山の食というのは豊かだと思います。
今日もいろいろ食べましたけれど、どうして美味しいんだろうと、そこを考えてしまいます。なぜ美味いのか。間違いなく人が主役なんですよ。そこにひたむきに取り組んでいる生産者がいる。
そういう人たちが作っているものを安心して口に入れられるという稀有な体験を、今、できる機会はそうはありません。ぜひ、これからもいいものを作ってください。
仁坂知事 今のお話を聞いたら生産者のみなさん、涙が出るほど喜ぶと思いますよ。ありがとうございます。
残間 いい具合にお二人に締めていただいたところで、今日はこれにてお開きです。パートナーの皆さん、ありがとうございました。これからもプレミア和歌山をよろしくお願いします。
(終わり/2019年2月開催)