残間 では知事と一緒に、プレミア和歌山をじっくり味わいたいと思います。知事、みなさん、よろしくお願いします。
一同 よろしくお願いします。
残間 今日はみなさんからリクエストをいただいた商品を中心にお出しするんですが、まずは平成28年度のプレミア和歌山審査委員特別賞、奨励賞の受賞商品をご紹介したいと思います。
残間 最初は最優秀賞である特別賞を受賞した『
幸田 これは要するにボディブラシなんですよね。
残間 高級ボディブラシです。実は私、すっかりファンになっています。一見、肌触りが悪そうなんですが、十分に濡らして湯船で使うと、実に気持ちがいいんですよ。
一本一本完全な手作りで、柄は檜の削り出しなので高級感がありますでしょ? 最近はフランスからも引き合いがあるそうです。
クミコ 一度使ってみたんですが、ちょっと私にはインパクトが強すぎるというか、硬そうな感じで……
残間 最初の一週間ぐらいは少し硬めかもしれませんが、どんどん馴染んできますよ。
仁坂 すぐ諦めないで、一月くらいは頑張ってみてください。
クミコ 諦めが早すぎたんですかね。もう一度チャレンジしてみようかな。
残間 実は今日残念ながら欠席の荻野アンナさんなんですが、「大変気に入ってしまい、毎日使ってます」とメッセージが届いています。
幸田 へえ! 私も使ってみようかしら。クミコさん、「インパクトが強い」と良い言い回しをされましたが(笑)、実は私も抵抗感がありました。しっかり馴染ませてから使いたいと思います。
残間 続いては奨励賞を受賞した『
鈴木 形が個性的だね。
幸田 これは本物の竹ですか?
仁坂 ええ、もちろん本物ですよ。
幸田 大きな竹を使ってるんですね! こんな太い竹は、集めるだけでも大変そう。
残間 無指向性、つまり音の出方に方向性がないというと違和感がありそうですが、考えてみると楽器が響く時って360度で拡散します。無指向性ですよね。こちらの方が自然と言えば自然です。
仁坂 実はみなさんと同じくプレミア和歌山パートナーの山本一力さんが、昨年2月のプレミア和歌山新規認定品をお披露目する内覧会でこのスピーカーを凄く気に入ってくれました。3月に『坂本龍馬お別れ会』というイベントに出演されたのですが、その際の月琴の生演奏の音響装置として、このスピーカーを使うよう推薦してくださったんです。
残間 確かに坂本龍馬にはコンサートで使っているようなスピーカーよりも、竹のスピーカーがふさわしいかもしれませんね。
理論としては、竹の微妙な歪みや節のせいで、内部で音が乱反射することにより、音の濁りを取る効果があるそうです。
実際に音を聞くとおわかりいただけると思いますが、何か優しく空間を音で満たしてくれるようなサウンドなんですよね。本当に目の前で楽器が演奏されているような気持ちになってきます。
泉 僕、ここの社長の梅田さんという方と少し話したんですが、最初は青竹でやっていたそうです。ところが使っていくうちに青竹だと割れてしまうんですね。
そこで竹を燻すことで割れなくなったそうです。茶色く艶やかになるので、外見も高級感が出ますよね。山形に竹を燻す職人さんがいて、竹を送って燻してもらってるそうです。
こんな風に和歌山発のアイデアが、他の地域と交流しながら、今までにない良い製品が出来上がる、というのもいいですよね。
残間 さて、ここからは食品になります。同じく平成28年度奨励賞を受賞した『
残間 非常に歴史のあるお菓子でして、紀州徳川公が参勤交代の際に携行されたと記録にあります。生産者の駿河屋は室町時代創業でして、発祥は京都伏見ということです。
仁坂 実は本ノ字饅頭は、和歌山県内の店舗でしか販売していません。通販もしてないんです。今日はここのホテルにレシピをお渡しして、最終工程のみ加工してもらったものをお出ししています。和歌山県以外でできたての本ノ字饅頭が食べられるのは、貴重なんですよ。
泉 ほんのりと酒の香りがしますね。
残間 製法は「麹ともち米を混ぜて発酵させたもち生地に小麦粉を混ぜ、餡を包んで
寝かせた後、せいろで蒸す」とあります。
ある意味、非常にシンプルな饅頭なんですが、完成度が高いというか。そしてまた「本」の字の焼印がきれいですよね。私、この焼印を押す現場を見たことがあるんですが、職人さんの技が見事で、思わず見入ってしまったのを覚えています。
幸田 確かに鮮やか。
残間 実は駿河屋は数年前に一度、破産しています。翌年に復活を果たすんですが、その時は本ノ字饅頭を求める人が、長蛇の列を作ったそうです。地元の方に本当に愛されている製品なんですね。
残間 平成28年度審査委員賞で最後に紹介するのは奨励賞受賞のシャーベット『
「あらかわの桃」というのは、紀の川市桃山町で生産されているブランド品種でして、この美味しい桃をシャーベットで丸ごと味わっていただこうというものです。いかがですか?
クミコ あ、これは桃の香りがすごいですね。ストレートに桃を感じます。
幸田 口いっぱいに桃の風味が広がっています。
残間 桃らしさを強くしようと果肉や果汁の含有率をやみくもに上げると、シャーベットにならなくなるようです。それで限界値を探ったところ、46%に行き着いたということです。ちなみに商品名の“一六一八”は、黄金比の1対1.618から来ています。
さすがに受賞商品ということで、いずれも和歌山の生産者の工夫・情熱がつまっていて、頭が下がりますね。
では、次の推奨品の紹介に入りたいと思います。まずは飲料から出してください。
残間 今日は5種類用意しました。順次、お食事とともにお出ししますので、お飲み物については、その都度コメントをいただきたいと思います。
では、まずは『
仁坂 それでは乾杯!
一同 乾杯!
残間 このビールはその名の通り、上面発酵のエールタイプです。日本で一般的なラガーとはずいぶん違いますよね。厳選されたホップと麦芽を数種類使っていまして、フローラルな香りと深いコクが特徴です。水もプレミア和歌山認定の『南紀白浜富田の水』を使っています。
火入れもフィルター濾過もしていませんので、少し濁りがあります。要冷蔵保存というだけあって、まさにフレッシュという感じです。リクエストした方々、いかがでしょう?
クミコ いけますね。地ビールというとクセのあるものが結構多いんですが、これは優しい口当たりなんですけどコクも楽しめます。
鈴木 これは旨いよ! 当たり。
残間 最近は地ビールというより、クラフトビールという形でブームが来てますね。ナギサビールというのは白浜町にありまして、平成8年創業です。クラフトビール界では古株として知られています。
幸田 私もこういうビール好きです。香りが豊かというか。スーッと体に入っていきますね。
残間 最初のお料理はお寿司です。和歌山はサバやサンマのお寿司、柿の葉寿司などが有名ですが、今回お出しするのは生鮪の押し寿司という珍しいものです。これは泉麻人さんのリクエストです。
幸田 生の鮪の押し寿司なんて初めて。色がきれいですね。
残間 那智勝浦港は生鮮鮪の水揚げは日本一です。モチモチ食感の鮪と米の旨味をご堪能ください。お醤油は湯浅町の天保年間創業、角長の『
仁坂 「『最初の一滴』醤油醸造の発祥の地 紀州湯浅」というものでして、これを機に湯浅町では醤油文化を元に、様々な形でまちづくりに生かそうとしています。
泉 お寿司もお醤油も、期待通りの美味しさだ。
残間 さてみなさん、お寿司を乗せているお皿にもご注目ください。こちらもプレミア和歌山認定の『
クミコ これガラス?
幸田 最初、漆かな? と思ったんですが、持つと重いんですよね。これ素敵ですね。
残間 フォークやナイフが使えて、しかも食洗機対応です。
クミコ それは助かります。
残間 メインが出てきました。今日はお肉中心です。
まず『
とした畜舎でストレスのない環境で育てられた合鴨です。
それからジビエを2種類。『
仁坂 和歌山県では野生鳥獣による農作物被害が深刻で捕獲していますが、これを何とか食材や観光資源にできないかと、解体処理施設や食肉流通システムの整備を推進しています。
他県でも似たような取り組みはしているんですが、和歌山はちょっと違います。個体ごとに「わかやまジビエ肉質等級制度」に基づいて格付けを行なっていて、これをプレミア和歌山認定の条件にしています。というのもジビエは野生だけに、肉質の個体差が大きいんですね。プレミア和歌山のジビエは、当たり外れなく安心して食べられますよ。
鈴木 この豚、いや違う猪か、旨いですね。野性味がたまらない。
仁坂 猪は脂が旨いんですよね。
幸田 鹿も美味しいです。日本ではマイナーですけど、ヨーロッパあたりだとジビエの方が断然、格上ですよね。レストランに行くと、「ジビエなので散弾にご注意ください」とか言われます。
残間 ここで『
クミコ さっぱりとしていいですね。また食欲が湧いてきそう。甘みだけでなく少し苦味があるところがまたいい。
残間 お酒が苦手な方は、『紀州果実シロップ』を炭酸で割るだけでも美味しくいただけます。
残間 メイン料理の最後は『
仁坂 恋野というのは橋本市の地名なんですが、ここには「中将姫」伝説というのがありましてね。奈良時代、中将姫という藤原豊成(藤原鎌足の曾孫)の姫が継母に殺されそうになって、恋野に逃れてきたらしいんですよ。そこで亡き母を恋いながら隠れ住んだことが地名の由来ということです。
泉 その中将姫って、薬の商品名にも使われていますね。中将姫は薬草の知識があったみたいで、その知識が伝わった薬だということですよ。
幸田 そうだったんですね……
残間 また新しい飲み物が出て来ました。㈱世界一統の日本酒『
㈱世界一統は博物学で有名な南方熊楠の実家にあたります。2017年は生誕150年でした。鈴木光司さんは蔵元に行ったことがあるんですよね?
鈴木 はい。やはり酒蔵というのはいいものですね。お酒がピチピチと生きているところですから気分が上がりました。南方熊楠は僕も尊敬してますから、その親族が今もお酒を作っているというのは感慨深かったです。
幸田 この『和歌のめぐみ』、日本酒ベースのせいか、香りが普通の梅酒とは違いますね。ふわりと香る感じで独特です。飲み口もとろりとした感じ。
残間 この辺でお粥とうどんでお腹を落ち着けましょうか。
まず『
今日は『
幸田 茶粥いいですね。ホッとする味というか、風邪の時にも食べたい気がします。
残間 ほうじ茶の香ばしさと程よい苦味が、梅干しの酸味、金山寺味噌の甘みを引き立ててくれると思います。
クミコ しらすの佃煮にも合いますよ。
残間 しらすは金山寺味噌とならんで和歌山の名産ですね。しらすはイワシの稚魚ですけど、これは大変傷みやすい魚で、網にかかった瞬間に死ぬそうです。ですから鮮度を守るには時間の勝負でして、水揚げしてから茹で終わるまで、わずか12分ほどの早業と聞いています。
『
国内産小麦を使って、なめらかな食感と同時にしっかりしたコシもあります。こちらのうどんは2013年の「うどん日本一決定戦評価部門」で準優勝したこともあり、単なる梅を使ったアイデア商品ではない本格派です。
幸田 いや、茶粥もいいですけど、梅うどんも美味しいですよ。香りが素敵。
残間 さあ、最後のお待ちかねのスイーツです。
いちごは『
幸田 大きいだけじゃなくて、しっかり甘いですね! 最近は大きないちごが珍しくないんですけど見た目ばかりで、食べると「あれ?」みたいなのも多いんですが。これは確かにプレミアム。
いちごもいいんですが、こちらのみかんがまた美味しいですね。
残間 それは『滝橘園のみかん』でして、これは凝った栽培方法をされています。一本のみかんの木で、実をつけさせる枝と実をつけさせない枝、光合成専用枝に分けることで、濃厚な味わいを実現しています。たいへん手間がかかるそうです。
幸田 みかんらしいみかんというか、ただ甘いだけじゃなく心地よい酸味もしっかりありますね。最近の果物にありがちな、ただ甘さに走ったものではないです。
クミコ 味が深い!
残間 次は『
クミコ 苦味がしっかり利いていて、オレンジピールのものよりもさらに大人の味ですね。
残間 締めのドリンクとして『
泉 酢のドリンクって飲みにくい印象がありますが、これはツンと来なくて飲みやすいです。
残間 さて、駆け足で紹介させていただきましたが、これで本日の試食&座談会は終了です。
仁坂 パートナーの皆さんには、気に入った商品は、ぜひとも積極的に発信していただければと思います。
残間 今日はありがとうございました。
一同 ありがとうございました。
(終わり/2017年11月開催)